永井荷風研究班

d0113613_1233693.jpg

10年に一度くらいの割合で訪れるマイブーム。
引越を機にまたはじまった。
それは永井荷風が綴った東京を散策することです。

永井荷風との出会いは短大時代、近代文学の講義でのこと。
それぞれ班に分かれ、ひとりの作家を徹底的に調べ上げ
レポートにまとめるというとき。
ちなみにアンケートをとると太宰、鴎外、漱石に人気が集中。
講師は毎年こういう結果なのであらかじめ班は決めたという。
(決めてあるならなぜ聞いた?ぶつぶつ‥‥)
こうして私は永井荷風研究班に所属した。

正直言って私はこの日まで永井荷風のナニモ知らなかったのです。

舞台に花街が多い、コドモには理解できない荷風の描く小説世界。
漢字がてんこ盛りの文章。さっぱり頭に入ってこない。
永井荷風研究班のモチベーションは下がりっぱなしでした。
私は「生い立ち」を担当。(これも振り分けられていた!)
なんとなく目と目が合った私に講師は言った。
「生い立ちっていうと年表を提出する人がいますがそれはダメですよ!」
作品や参考資料を読みながら(写真下4冊)
しかたなく荷風所縁の地をめぐりはじめた。
ところが、小説世界には浸れないのに「日和下駄」をはじめとする
日記や随筆に描かれた東京観察紀に段々魅せられていくことになるのです。

あれから30数年、今でもふと立ち寄った場所に見覚えがあったりすると
家に帰ってからパラパラめくるこれらの本。
『あ〜やっぱり前に歩いた事があったんだ』なんてひとり納得。
18才頃から揃えたこれらの本は私にとって一生モノになりそうです。

そして最近では江戸の名残を探すように荷風が手にして歩いた
切絵図入りのこんな地図まで手に入れました。

d0113613_14225815.jpg

明治・大正・昭和(荷風は長生きだった)
時代の流れとともに失われてゆく古き良き江戸情緒へ思いを馳せた荷風が
平成の東京を歩いたらいったいどんなことを思うのだろう‥‥
なんてことを考えながら、これからも私なりに『散歩日和』を楽しもうと思います。

おまけは永井荷風が大正9年から25年間住んだ通称・偏奇館跡、
現在の写真です。(旧:麻布市兵衛町)

d0113613_14363847.jpg

六本木1丁目、アークヒルズ、スペイン坂を登ったところに碑があります。
この崖上から毎日下町へとこうもり傘と全財産の入った小さな
ボストンバッグをぶら下げて散歩に出かけていたんですね。

by sketcher | 2010-07-07 14:47 | 雑記帖 | Trackback
トラックバックURL : http://crosketch.exblog.jp/tb/11486972
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。