刺繍先生

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ゲルダ ベングトソン(1900-1995)
デンマークの花刺繍の創始者であるゲルダさん。
書籍によりゲァダ、グアダ‥‥とカタカナ読みがさまざまですが
ここではゲルダさんと呼ばせていただきます。
神棚にかざり拝みたいような書籍です。

自然の中にあるモチーフからはいつも強いインスピレーションを
受けますが、すでにこの方が本当にたくさんの完成度が高い
クロスステッチのためのステッチチャートを世に送り出している。
写実的であったり図案としてデフォルメされていたり、
この書籍の中にもステッチしてみたいチャートがきっしり詰まっています。

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デンマーク刺繍に精通されている方なら一度は目にされている
こうした野の花のクロスステッチ。

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押し花から図案化する工程なども紹介されています。
ゲルダさんがもし現在のようなコンピューターを使って
デザインできる時代に存在したら
たぶん想像を絶するような数のチャートを創作されたにちがいない。
(現在残っているものだけで何百ページにも及んでしまうらしい)

ゲルダさんは織りをフィンランドで習い絵画をデンマークの
美術学校で学んでいたそうです。
そんな彼女がクロスステッチの可能性をはじめて知ったのは
パリのクリュニー美術館を訪れてからのこと。

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クリュニー美術館。私も過去に一度だけ訪れています。
古代浴場の後に14世紀に建てられたクリュニー派修道院長の邸宅が
現在のクリュニー美術館でパリに残る最も古い美術館のひとつ。

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古代ローマの遺跡もみられる。

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こちらに飾られている中世のタペストリー「一角獣と貴婦人」の
細部を自ら図案化し作品に仕上げています。

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こちらがその図案を羊毛糸で仕上げたキャンパス製のクッションです。
ゲルダさんは、この作品をきっかけに手芸普及協会の協力により
麻の布に彼女がデザインした花模様の刺繍をはじめられたそうです。
現在のデンマークの花糸はゲルダさんの花刺繍を麻布に再現するため
に生まれた糸なのだそうです。

本当の「オリジナル」とはこういうことだな!とこの書籍を開く度に考えます。
図案だけでなく、布も糸も自分だけの個性を持つこと。
簡単にはいかないと思いますが、まずは今手に入る様々な素材を組み合わせ、
個性を演出していきたいなと思います。

今日は私が深くクロスステッチにのめり込む入り口になった
大切な1冊をご紹介しました。
ゲルダさんの世界は自然のモチーフだけでなく地図や暮らしの風景など
本当に多岐にわたります。フレメから様々なキットも販売されています。
どうぞ手に取って楽しまれてくださいね。


参考資料:モダーン クロスステッチ 雄鶏社
「Gerda Bengtsson 1900-1995 ゲルダ ベングトソン 刺繍・人生」
ヤマナシ・ヘムスロイド

by sketcher | 2009-01-07 14:54 | 刺繍のこと | Trackback
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