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10年に一度くらいの割合で訪れるマイブーム。
引越を機にまたはじまった。
それは永井荷風が綴った東京を散策することです。

永井荷風との出会いは短大時代、近代文学の講義でのこと。
それぞれ班に分かれ、ひとりの作家を徹底的に調べ上げ
レポートにまとめるというとき。
ちなみにアンケートをとると太宰、鴎外、漱石に人気が集中。
講師は毎年こういう結果なのであらかじめ班は決めたという。
(決めてあるならなぜ聞いた?ぶつぶつ‥‥)
こうして私は永井荷風研究班に所属した。

正直言って私はこの日まで永井荷風のナニモ知らなかったのです。

舞台に花街が多い、コドモには理解できない荷風の描く小説世界。
漢字がてんこ盛りの文章。さっぱり頭に入ってこない。
永井荷風研究班のモチベーションは下がりっぱなしでした。
私は「生い立ち」を担当。(これも振り分けられていた!)
なんとなく目と目が合った私に講師は言った。
「生い立ちっていうと年表を提出する人がいますがそれはダメですよ!」
作品や参考資料を読みながら(写真下4冊)
しかたなく荷風所縁の地をめぐりはじめた。
ところが、小説世界には浸れないのに「日和下駄」をはじめとする
日記や随筆に描かれた東京観察紀に段々魅せられていくことになるのです。

あれから30数年、今でもふと立ち寄った場所に見覚えがあったりすると
家に帰ってからパラパラめくるこれらの本。
『あ〜やっぱり前に歩いた事があったんだ』なんてひとり納得。
18才頃から揃えたこれらの本は私にとって一生モノになりそうです。

そして最近では江戸の名残を探すように荷風が手にして歩いた
切絵図入りのこんな地図まで手に入れました。

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明治・大正・昭和(荷風は長生きだった)
時代の流れとともに失われてゆく古き良き江戸情緒へ思いを馳せた荷風が
平成の東京を歩いたらいったいどんなことを思うのだろう‥‥
なんてことを考えながら、これからも私なりに『散歩日和』を楽しもうと思います。

おまけは永井荷風が大正9年から25年間住んだ通称・偏奇館跡、
現在の写真です。(旧:麻布市兵衛町)

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六本木1丁目、アークヒルズ、スペイン坂を登ったところに碑があります。
この崖上から毎日下町へとこうもり傘と全財産の入った小さな
ボストンバッグをぶら下げて散歩に出かけていたんですね。

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+++
あたしは世界一腕のいいコックというわけではないが、
いくつかの得意料理をもっている。
そしてそのほとんどすべてが、ピーナッツバターを使うものだ。
ピーナッツバターを使っていれば、まずくなりようがない。
今日のあたしは、夕食用にピーナッツバターとオリーブと
ポテトチップスのサンドウィッチをつくっているところだ。
これは果実と野菜と、栄養的に無価値な白パンの炭水化物とを
コンパクトに結びつけた非常に効率的な料理だ。
キッチンに立ったまま、冷えたコロナビールと一緒にサンドウィッチ
を食べているところに、モレリから電話があった。
「今、何してる?」モレリは訊いた。
+++

「バスルームから気合いを込めて」より抜粋
ジャネット・イヴァノヴィッチ  訳=細美遥子
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大好きなステファニープラムシリーズの最新刊。3章のはじまりは
こんなサンドウィッチを頬張るステファニーと恋人で刑事のモレリとの会話。
最新刊はステファニーの周りで起こる事件もモレリと仕事仲間である
魅力的で謎の多いレンジャーとの三角関係も、かなりおもしろい!...と
そんなブックレビューはまた後日ゆっくり
ティクロワの本棚に書くことにして、今日は、どうにもこうにも
気になってしかたのなかったこの「ピーナッツバターとオリーブと
ポテトチップスのサンドウィッチ」を作ってみたのです。
アメリカ人って、本当にこんなもの食べてんの?という素朴な疑問から。。。

本日は土曜ですがお仕事中のため、ビールはいけませんからして
冷たい凍頂ウーロン茶と一緒にいただきました。
お味は...オリーブの塩漬けとポテチの塩分ではげしくビールを必要と
するサンドウィッチであるということがわかりました^^;
しかもライムをきゅっと絞っていただく、スッキリ爽やかなコロナビールが
まさしく似合いそうなメニュー!

そしてこのユーモアミステリーを読む時に気をつけなければ
いけないことは、主人公ステファニーのスイーツ依存症に関する
項を読むにつけ、必ず一緒にドーナツやケーキを食べたくなってしまうと
いうこと。これは大問題だぁぁ!

というわけで3時のおやつも確保済み。

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だめだなぁ...1個だけにしておこう...(´;ω;`)
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ある日の古書市で昔の刺繍の本をパラパラめくっていると
なんとなく目に入った60年代バーション「暮らしの手帖」。

これは、本当に雑誌の表紙?
内容のインフョメーションすらない、無駄のないデザイン。素敵だ!
1冊¥350。

今の時代、本屋さんにはすごい数の雑誌(や書籍)が並べられるので
広告のひとつも打っていなかったら、お客さまの手に取って
いただくだけでも至難の業。。。
なので中身を見なくてもだいたいのことがわかるように
表紙(もしくは帯)にあれもこれも情報を入れてしまおうとする。
(...入れなければばならない)
つまり、極端に言ってしまえば、表紙でありながら広告なのです。

デザインする側の人間としては、編集者や営業の方の
リクエストを受け入れながらも
読者目線を忘れず、デザイン的にも納得できるものを
世の中に送り出さなければならなくて...
頭かかえることがあります。。。
(頭をかかえること、それはデザインの仕事全般に言える事ですが・笑)

あ〜でもない、こ〜でもない、とた〜くさんのラフを作っているうちに
スッポン!と生まれてくる子がいる。
そして、その生命力が買われるのか、だいたいの場合
最終デザインはその子に決まるのです。
(...本当は、生命力だけではなく、その子のキャラがキャスティングの諸条件を
クリアしていたということなのですね〜)

60年代の「暮らしの手帖」の中身は盛りだくさん。

当時は今とちがい、日本の高度成長と共に女性のライフスタイルが
急激に変化した時代。そんな時代を暮らして行く上で必要だった情報が、
ぎっしり詰まっている。
その文字の細かさと情報量の多さには、本当に驚いてしまった〜。
それなのに、表紙はこんなにシンプル。美しい!
雑誌というより、きっと「暮らしの手帖」というひとつのブランドの
カタログのような存在だったのではないのかなぁ。
(今と比べて雑誌の数が少なかったということも大きな理由。。。)
たくさんの女性がこの雑誌の発行日を楽しみに待っていたにちがいない。


私の母もそのひとり。父は掲載されていた日曜大工の
記事にあった木工家具を何度か作ってくれた。
そんな父が「ウチにもまだ残ってるよ〜」
と物置から出してきた80年代の「暮らしの手帖」。

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この頃は、ファッションやインテリアのこと、
それから各メーカーの家電比較のリサーチ記事など、
家族全員で楽しみに読んでいました。
そして表紙は、影絵画家で有名な藤城清治さんの絵です。
数年ごとに表紙のイメージを作り替えながらも
「暮らしの手帖」であることには変わりない存在感。
私にとっては、この古本、今でも懐かしさだけでは終らない
「ヒント」や「やる気」をくれる「元気本」なのです。
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モンサンミッシェル からパリへ戻る途中にドーヴィルへ寄りました。
ここは、..タララ〜サヴァダヴァダ、サヴァダヴァダ、タララ〜サヴァダヴァダ〜〜♪
あのフランシス・レイのあまりにも有名な主題歌を誰もが口ずさんでしまう街、
ドーヴィル 。映画「男と女」の舞台になったところです。


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男と女 特別版


はじめてこの映画を観たのは子供の頃。ジャン・ルイ・トランティニャンの顔が
恐くてスパイのようだと思ったのを覚えています。レーサーなのに。
そして、2回目に観たのは数年前。
あるブランドのシーズンコンセプトがこの映画「男と女」でした。
販促に携わっていた私はドーヴィルのイメージのコラージュを依頼されました。
「...ドーヴィルってどんなところでしょうか?」
おそるそる訪ねる私にそのミーティングに参加していたスタッフ全員が
「さぁ〜っ???ビーチパラソルがいっぱいあるらしいです〜。。。」
...そんな〜それだけ(涙)まぁ、本当でしたけど。
その少ない情報を元に、誰も行ったことのない街のコラージュを製作、
パリの本店のチェックをクリアし、それでも、煮え切らない思いのままいた私。

ドーヴィルに行ってみたい!仕事は終わったけれど、この目で確かめたい!


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ここが主人公の二人が歩いていた、モノクロかセピアでしかみたことのなかった
ドーヴィルの海岸。とても広くて美しい。

そしてドーヴィルの街...
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これは、「ゲド戦記」を書いた作家、アーシュラ・K・ル=グウィンの
童話、空飛び猫
たぶん2年間くらい「読みたい箱」に入れたままになっていた本。
夕べ、探し物をしていたら箱の中から2冊でてきました。

読んでみると...おもしろい!!

自然界の生態系、弱肉強食の世界に飛び込んだ
翼を持った猫たちの行動や都会の人間とかかわり合う事で
自分の生き方を考え直すことになる翼を持った猫の物語。
お話の内容から、大人が読んでも十分に楽しい絵本です。
というか大人向けなのかも。。。

この本を買ったのは、訳が村上春樹さんだったから。
そして読みながら、ル=グウィンの作風を知らないせいもあり、
なんとなく春樹さんらしいニュアンスの文章がたまらなくなり
空を駆けるジェーンも続けて読みました。

このシリーズのS.D.シンドラーという人の絵がとてもリアルなこともあり、
(なのでお子様には、ちょっと恐いのではないかという気もしますが)
読み終わった頃には、翼のはえた猫が実在するような妙な気分に。。。

そして春樹さんの訳注がまた良い!
「ここは、日本語にそのまま訳せないので頭をひねって...こうした」とか
笑っちゃうエッセイのようなくだりがおまけに付いています。

「おはなし」と「訳注」と「あとがき」の3点セットにそそられて、
まだ読んでいない何冊かをそろえたくなりました。
何しろ、シリーズ1では翼のある猫は4人兄弟(姉妹)だったのに
4作目の主役のジェーンはお母さん猫のミセス・タビーが再婚してから
産まれたおてんば娘で上の兄弟たちとは父親違い。
これは、2、3作目で何があったのかを読まずにはいられません。

ここ、千駄ヶ谷の空にも「空飛び猫」が飛んで来ないかなぁ〜♪


ある日、散歩の途中で見かけた子。この子には翼はありませんでした。
それとも隠していたのかな? (photo by 母)
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今回おすすめするのは、ダイアン デヴィッドソンのロングセラー
料理ミステリーのVol.12、クッキング・ママの鎮魂歌
主人公のゴルディは、ケータラー。当然、お話の中に彼女の仕事である、
様々なオケージョンに合わせたメニューが登場、
そのレシピまで掲載されています。(毎回とてもおいしそうなレシピ満載!)
いくら小説とはいえ波瀾万丈なゴルディの人生。。。
でも、エールを送りたくなる頑張りやの働くママです。
愛息アーチも成長して反抗期を迎えています。
今回は彼女の元亭主の死からお話が始まります。かわいそうなアーチ。
でも女性の立場から考えると思わず、「いなくなってくれてありがとう!」。
この元亭主、息子のことは可愛がっていましたが、
ひどい暴力夫だったんです。別れてからも迷惑をかけられっ放し。
家庭の問題、殺人事件。彼女のまわりはいつもとってもにぎやか!?
再婚した夫、トムと力を合わせてパワフルに事件を解決していきます。

・・・もしも映画化されたなら・・・
このゴルディ役を演じるとしたら、メリル・ストリープかな〜♪
もう少し若い、サンドラ・ブロックもいいかも!
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1949年初版のドイツの装飾技芸の美術本です。
内容はドイツのみならずヨーロッパ各国の織物・刺繍・民族衣装が
掲載されています。とてもプリミティブなモチーフや古典柄も多く登場
しています。解説を読むことはできませんが、目で学ぶことができる、
図案を考える上での大切な資料です。
古本なので取り扱いに注意しないといけませんが、繰り返しページを
開きたくなります。

これもドイツの刺繍雑誌
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ハンドメイド初心者の私にちょうど良い本を見つけました。。。
「SEE and SEW : A SEWING BOOK FOR CHILDREN」Tina Davis著
英語の勉強にもなりますし。。。
クロスステッチの図案やボタンの付け方、生地の分類まで
可愛いイラスト付きで、タイトル通り、お子様向けのわかりやすい内容です。
そして、私にとってもありがたい内容。。。
お隣にころがっていたミニブックもボタンのブックマークが気に入り
「ボタン」と「キルト」を購入しました。

本当は仕事の資料を探していたのですが・・・
海外ミステリーです!!!

私には姉と弟がおりますが、そろって海外ミステリーファン。
横着者の私は、ミステリーに関しては、今だに二人のおススメを
借りて読むことが多いです。その方がはずさずにすむので効率的なのです!

長編かシリーズものをゆっくり読むのが好きです。
「私の本棚」と言ってしまうと語弊がありますが
これから時々、おもしろいと思った
(正確にいうと、姉と弟のおススメの中から)
海外ミステリーを少しずつですが、ご紹介していきたいと思います。

最近、シリーズもので一番はまったのがヘニング・マンケルの作品。
スウェーデンが舞台で中年刑事(クルト・ヴァランダー)が活躍します。
私はこの「リガの犬」がとても良かった。(これはシリーズ2番目)
「LOVE」もあり、ハラハラ・ドキドキ!
バルト3国に興味を持ったのはこの小説からです。

このレビューを書いていたら、未読の「目くらましの道」上・下巻
に気づきました。すぐ読みま〜す!!

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